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やました社労士事務所

労働条件通知書と雇用契約書

労働者雇い入れ時に注意したい項目



第一回目は入社時に発行する書類についてお話いたします。

新入社員が入社する際、会社が発行する書類は一般的に「労働条件通知書」です。
厚生労働省のサイトでもダウンロードすることが出来ます。

その他にも「雇用契約書」という書類もありますが、違いはなんでしょうか。

書面を見比べるとわかりますが、
労働条件通知書には会社の押印がありますが、社員の押印はありません。
しかし、雇用契約書には双方の押印があります。

そうです、会社と従業員の双方が内容を確認して同意の上で作成するのが雇用契約書なのです。
労働条件通知書の場合は、会社が作成したものを新入社員に一方的に渡しておしまいです。
ほんどの場合、もらった後は無くしてしまいますよね。

なかには口頭だけで労働条件の通知を済ませてしまうかなり危険なケースは多々あります。
うちの会社はそれでトラブルはないのだから平気だよ。
トラブルが起きてからでは遅いのです。


ここで通知書にした場合のトラブル事例を上げます。

【新入社員が通知書をもらってないと言い張るケース】

従業員「そういえば社長、先週振り込まれていた給料額が少ないです」

社長 「そんなはずないよ、内容は自分もチェックしたし」

従業員「多分、入社の時にお話しした専門手当30,000円が含まれてないんですよ」

社長 「その手当は6ヶ月の試用期間後に、スキルに応じて払うって通知書に書いてあるでしょ」

従業員「そんな通知書もらってませんよ。仮にもらっていたなら専門手当がないなら気づくはずです」

社長 「それならあらためて通知書を渡すよ」

従業員「専門手当もらえないなら会社辞めます!僕はこの会社に入社する為に引っ越しをしているので
    その為の費用を請求します!」

社長 「そんな費用は払わないよ!」

従業員「労働条件が事実と相違する場合に即時に労働契約を解除することが出来るし、
就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合には、
使用者は、必要な旅費を負担しなければならないんですよ」(労基法15条)

社長 「・・・。とにかくこちらは渡したんだから。」

従業員「労働基準監督署に訴えますから」

社長 「(面倒なことになったな)」




言った言わない、渡したもらってないとの水掛け論になります。


もし、雇用契約書でかわしていたら、
社長 「あれ?きちんと契約書かわしているし、君の捺印もあるけど、何か?」
と反論できます。双方の押印がある雇用契約書を作成した方がトラブルの防止になるのです。


もちろん、労働条件が変更した場合も、都度作成しなすことも大事になります。
次回以降、従業員の給与内容等の労働条件が変更した時にも、雇用契約書でを成することをおすすめします。

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